テスラに乗り換えるまでの顛末

テスラ モデルX 75D

実はMシステムを手放すのとほぼ時を同じくして、車を乗り換えました。今は車>カメラってことなのかもしれませんね。否定はしません。

ホンダ シビックから数えて25年で通算8台目の車です。そして8台目にしてとうとう電気自動車になりました。自分でも思い切ったことをしたなと思いますが、約半年乗った今なら胸を張って言える!電気自動車は今の自分の環境にはかなりフィットしていると。

前車ディスコ4に乗り換える時に、「今回はどうしても乗りたかった大きいクロカン四駆に乗るけれども、次回乗り換えるときはもう少しクリーンな車にしよう」と誓っておりました。とはいえ実際に乗ってみると、ディスコはあのなりで街乗り6km/Lは走っていたので、けっこう頑張っていた方だと思います。高速での実燃費はカタログ値を超えて8km/L近く出ることもありましたし。

しかしそもそも、なんでディスコにしたかといえば…

「人と荷物をたくさん積んでキャンプに行きたかったから。」

ということなんですけれども、ディスコでキャンプに行くにつれだんだんオートキャンプの抱える自己矛盾的なものに苛まれるようになってきてしまうわけです。つまり…

「大自然を満喫しにガソリン燃やしてエンジン回して排気ガスをだして空気の綺麗な山に行く」

ということになんか罪悪感を抱くようになったという…

ディスコとキャンプ、寒くて楽しかった

そんなこんなで4年ほど、ディスコと共にあちこちキャンプに出かけてきたわけですが、ひょんなことからキャンプ場で見かけた三菱自動車のアウトランダーPHEVに魅せられてしまいます。

ただ、アウトランダーは車体が小さいので当時拡大路線にあったわが家のキャンプスタイルにはまるで合わなかったのですが、それでもPHEVで燃費が良く、いざとなったらキャンプ場で電源まで取れる…という利便性にかなり惹かれてしまいました。

そこでつい、近所の三菱自動車ディーラーにアウトランダーPHEVの試乗に行ってしまったのです。おりもおり、アップデートされたばかりの新型19スペックが発売されたばかりでした。担当の方の話を聞くに、車体剛性が上がって、発電エンジンが大きくなって効率が上がって、ジェネレーターの出力も上がって、バッテリーの容量も大きくなったとのこと。特に「街乗りではモーター走行のみである程度は走れてしまいます!モーターでの走りを是非体感して欲しい!」と、かなりのモーター走行推しの担当さん。しかし今思えばこれが全てのはじまりでした。

運転を始めると、とにかく滑らか、スムース、静か。そして電気自動車に抱いていた非力なイメージが全くない。力強い加速、そしてモーターの加速と回生ブレーキの減速によってもたらされる新鮮な運転感覚。かなりワクワクしました。

公園のCHAdeMOでも急速充電できます

しかし、どう考えても大きさ的にわが家ではありえない。でも待って!世の中には他にもPHEVはあるじゃないか!ということでその足で飛び込み試乗に行きます。2019年3月当時、ランドローバーではPHEV搭載車がいつ日本に導入されるかわからない状態だったので後ろ髪を引かれつつパス。近くにあったボルボを訪れると、ちょうどXC60のPHEVグレードであるT8 twin engineが発売になったところでした。わが家としては大きさ的にXC90 T8 twin engineがターゲットかな?と思いながら話を聞いていると、ボルボのPHEVはどうもアウトランダーPHEVとPHEVに対する考え方違うというか、僕が求めているPHEVとちょっと方向性が違うということがわかりました。アウトランダーはモーター走行が主体で、エンジンはどちらかというと走行用というよりは発電に振ってあって、シリーズハイブリッドに大容量バッテリーも付いていて外部充電もエンジンによる充電もできます的なイメージでしたが、ボルボのPHEVはあくまでエンジン走行が主体でモーターは補助、いうなればシリーズ・パラレルハイブリッド車でバッテリーに外部とエンジン両方から充電もできます的な感じ。明らかにアプローチの仕方が違うし、自分が求めているものは明かに前者。

ここで気がついてしまいます。あれ?モーター走行がいいの?エンジンによる発電必要?それならいっそ電気自動車でいいんじゃないの?と…

パッと見、巨大な先代プリウス…

そういえば2年くらい前、テスラが同社初のSUVでありモデルXを国内に導入するときに、冷やかしでモニターキャンペーンに応募して外れちゃったけど、それ以降も試乗のお誘いが何度かきてたことを思い出し、テスラに連絡をしてみました。

すると翌日に担当の方から電話があり、ちょうどインベントリーフェアをやっているので遊びにきませんか?とのこと。本気半分冷やかし半分で在庫処分市に行ってみることにしました。

その頃、テスラのCEO イーロン・マスクが「今後路面店は旗艦店舗をのぞきすべて閉鎖し、ネット販売に移行。そして車両価格を値下げする」旨を突然発表。まぁ、とはいえコレはアメリカ本国での話だろうとタカを括って、インベントリーフェアに行ってみたところ、なんと日本のテスラでも同様の対応になるとのこと。もちろん車両本代価格もかなりお安くなっていました。のちにイーロン・マスクはこの方針を撤回。価格も元に戻った上、モデル3の価格を下げてモデルS・Xの価格はまた値上げとなっていくのですが、こういう事はテスラでは良くある話…らしいです。

さて、よく考えたら純粋な電気自動車に乗ったことがないので、事前にあれこれ情報をもらわずに、まず試乗をさせてもらうことにしました。試乗車は白のモデルX P100Dというパフォーマンスモデル。しかし、僕は全くパフォーマンスモデルに興味はない旨を担当さんに話してあったので、「パフォーマンスモデルの加速を体験しますか?ノーマルの設定にもできますがどうしますか?」と聞かれたので、ノーマルの設定で試乗をさせてもらうことにしました。安くなったとは言ってもパフォーマンスモデルは予算からかけ離れていますから、そんな世界は知らないにこした事はありません。

モデルXはファルコンウィングドアが売りのキワモノSUVというのが、試乗をする前の僕の偽らざるモデルXに対するイメージだったのですが、いざふわーっと上に開くドアと自動開閉するフロントドアを目の当たりにすると「お〜!」っと気分が盛り上がってきます。しかしそれは単なる導入、前菜、序曲にすぎませんでした。

このパノラミックウインドシールドもたまらないです…信号機身きれずよく見えるし

まずは助手席に滑り込んで、担当さんの運転で試乗に出発。音もなく、す〜っと動きだし、その滑らかさの違和感と気持ち良さに「!」となります。

そして今度は自分で運転してみて、やはりその滑らかさ力強さ、そして運転のしやすさに「!!」となってしまい、試乗から戻るともう買う気満々になっていました。

在庫車に、ちょうど希望の青い車体にクリームプレミアムというオフホワイトのシートに白木を組み合わせたインテリアの車があったので、充電のこととか全く後先考えずに即決してしまいました。

あとでわかったことですが、テスラはモデルイヤー関係なく随時仕様変更をしていくので、購入するならなるべく新しい製造年月のものを選ぶのが鉄則です。たまたま自分の選んだ車はHW2.5にMCU2という当時最新のハードウェアを搭載した個体でしたが、購入時期によっては色々なハードウェアバージョンが混在しているので注意が必要です。(現在はどのモデルを買ってもHW3.0とMCU2のはず。)

こんな感じで周囲の車、バイク、自転車、人間をセンシングします

いざ購入となっても、ショールーム内でweb画面から手付金を支払っておしまい。要は、ネットショッピングをただショールームでやっただけ。書類のやり取りも最低限でした。しかもテスラは販売担当と納車担当が分かれているので、これでよほどのことがない限り後は納車担当者とメールでやりとり…となります。いろいろカルチャーショックで目眩がします(笑

でも、合理的でかんたん。これを実店舗でやられちゃうと、次回以降はネットでポチでいいかな…という気になってきます。

数回のメールと最低限の書類のやり取りを行い納車日が確定すると、予定日時にショールームまで出向きます。ここで初めて納車担当の方とお会いしました。メールでやりとりしているので初めまして感が全くありません。挨拶もそこそこに、書類の説明をうけて書類にサイン。すぐに車に移動し車内であれこれ最低限の説明をしてもらっておしまい。時間にして30分程度でしょうか。ブーケの贈呈もなければ記念品のお渡しもなし、セレモニーなんてものもなし。淡々と事務的に行われます。あの手のセレモニーは苦手だったので、これはいいな…と思いました。

かくして、わが家にテスラはやってきたのです。