Leica CLに辿り着くまでの顛末
ライカCLを購入しました。と同時に、ライカTL2を手放しました。
ライカTL2はとてもとても良いカメラでした。オート任せにしなければ、APS-Cってこんなに撮れちゃうっけ?ってくらいよく写るし…。
しかし、APS-Cカメラシステムにはシャッター切ったらそこそこ写る…ってことを期待していたのでちょっとTL2は望んでいたカメラと違いました。
「いや、そんなお気楽カメラがご希望なら、ライカを選ぶなよ!」とお叱りが飛びそうですが、全くその通りです。その辺、ライカでシステム組むならある程度の不自由は仕方ないと覚悟はしてたんです。
でもね、TL2が僕の手に届いた時に、妻の手にはCLが…。身近にCLがある環境で使ってなければ「まぁ、こんなもんだライカだし…」と思えたかもしれなかったのですが、ちょいちょい使う機会があるとこの二者のカメラとしての使い易さの差が歴然としてしまうわけで、これはある意味贅沢な、ある意味不幸な出来事だったわけです。
しかし、ライカが送り出した新時代のカメラとしてのTシリーズのコンセプト、そして金属の塊感に溢れたモノとしての魅力に、僕はかなりやられてしまっていました。しかも、TL2の画質、特にJPEG撮って出しの画像が意外と好みだったこともあり、とにかくできればこのままTL2使い続けたいと、あれこれ工夫して使ってました。
最初に買ったTL2は中古だったのですが「ほぼ同じ時期に発売された同じ会社の2種類のカメラにここまで挙動の差が出るはずかない。きっとこれは中古だからなのか若しくはハズレ個体を引いてしまったからに違いない!」と、TL2が好きゆえに勝手に思い込み、最初の個体を売り飛ばして新品のTL2を買い直してしまいました。バカですね。
しかし、しかし新品に変えたところで事態は何も変わらなかった。ぶれるホワイトバランス、CLでは起きないのにTL2でなぜか頻発するレンズエラー、トリガーがよくわからないけど突然フリーズしてシャッター切れなくなる、とにかくAFでピントが合わない、顔認識AFだろうがスポットAFだろうが背景にピントを持っていかれる、ビゾフレックス typ020つけるとなんだか諸々具合悪い…など、とにかく世のTL2使いの方はきっとMレンズで、ビゾフレックスなどつけずに、背面液晶でMFで、マニュアルWBで撮ってるんだろうな、と思うほどに一々何か引っかかる。写真を撮りたい時に撮れない。
そして最後に、某所で言われた「お持ちのTL2に不具合は見当たりません。TL2はそんなものです。CLとは開発チームもちがうし半年違いでも中身は全然別です。購入直後なので症状続くなら本体交換もできます」という一言で、「あ、もうダメ…」と、ぷっつん糸が切れてしまいました。だってもう自前で本体交換してたし…。
さて、丁度その頃にはCLにシルバーボディーが発売されたので、もし万が一TL2をCLに変えたところで、妻のCLと被らずに済みます。TL3を待ってみる…という手もあったのですが、いつ出るかもわからないボディーをジッと待つのも辛い。「もう買い換えよう。どうせマウント一緒なんだし。」
そして、その万が一が現実となりやってきました、ライカCL シルバーが!いたって普通に写るカメラなのは、時々こっそり借りてたので知ってました。お気楽です。APS-Cにはこういうの求めてました。
オートWBは的確、EVFはさほど画素数多くないのにやたら見やすい、変なレンズエラーやフリーズがない、とにかくAFが合う、多点測距でも不思議と意図したところにピントを合わせてくる、コンテニュアスAFの測距間隔が短い、ふたつのダイヤルの中央ボタンが便利、Wi-Fi接続が安定してる、ライカCLすごい。
最後に、Tシリーズオーナーの方の誤解のないように付け加えるなら、TL2は良いカメラだと思いますし、今でも好きか嫌いかと問われれば「好き」な製品です。TL3発売されたら買ってしまうかもしれないくらいTシリーズは好きです。でも、今の僕が求めているお気楽用途にTL2は残念ながら合わなかった、ということです。
ライカCL、お気楽ライカボディーとして、これから使い倒していきます。