ライカのAPS-Cシステムに堕ちた

真夏日の続くある日、クラクラする頭でふと思い立って防湿庫で眠っていた整備済みのレンズたちを山に放してきました。 ズマレックス、ズマリット、アベノンにズミルックス50mmに非球面ズミルックス35mmも…思い出深いレンズ達でしたが、新しいオーナーのもとで幸せに過ごして欲しい… さて、そこで得たお金をつかって、妻に結婚12年目のお祝いとして「私もライカで写真撮りたいな…」という願いを叶えるべく、こんなものを購入してしまいました。
そう、ライカCLにエルマリートTL 18mmのセットです。このカメラ、驚くことにシャッター押しただけでフツーによく写ります、ライカなのに… あんまりよかったので、ソニーのαシステム一式をライカのAPS-Cシステムに切り替えることにしました。なかなかのチャレンジャーです。熱中症で頭がぼーっとしてたのかもしれません。でも唯一αシステムで嫌だったのは、高性能レンズが総じて嵩張ること。もうなんだか、システム全体をコンパクト化したかった。 それで自分用にと購入したのがこちら… ライカTL2です。ほら、同じモノ買っても、つまらないから… TL2は僕が思い描いていたライカのカメラのイメージを打ち砕く、今時のカメラです。とは言っても、いわゆる今時のカメラと比べると弱いところが諸々あります。AFとかAEとか手ぶれ補正がないとか。しかも、ほんの半年しか発売日が違わないCLともだいぶ挙動が違います。同じことをしようと思うと、総じてTL2ではすんなりとはいきません。 しかしそれでも、魅力的なのはレンズ。当初はAFシステムも今時コントラスト検知式のみの前時代的なモノなので、手持ちのMマウントレンズでMFで使うつもりでしたが、TLレンズのラインナップが思いのほか良い感じだったので、ちゃんと純正レンズで使ってみたくなりました。18mmは妻が持っているので、僕の中では最近ブームの「ズミクロン」銘を冠したライカAPS-Cシステム黎明期のキットレンズであった23mmを。なんでもTLレンズは日本製のものとドイツ製のものとあるらしく、18mmと23mmは日本製。いずれドイツ製のレンズも使ってみたいものです。 あと、感心するのはTLの操作系です。TLはCLやM型、SLと違い、背面にボタンがなく、タッチパネル液晶のみで操作します。そのタッチパネル用にタイルメニューを用いた専用操作系を用意してくれていますが、これがなかなか使いやすい。小さい会社なのに、わざわざほかとは違う操作系を用意するなんて、こだわりを感じます。ただこれも結構運用上問題がある部分があって、首からぶら下げてブラブラ運用していると、お腹でタッチ液晶を操作してしまい、撮影しようと思うと大体ビデオモードになっています。ビゾフレックス typ020つければ解決しますが… とにかくTL2は僕の期待を裏切らず、シャッター押しただけではフツーに写らない…(笑) 若干、CLと同じ感じを期待してなくもなかったのですが、CLと違ってTL2はいろいろ試行錯誤が必要そう。また慣れるまではお苦しみと後悔の日々となりそうですが、この感じ、ライカの新機種に乗り換えると毎回同じ思いをするので、もはや慣れっこで微笑ましくすらあります。でも、時にハッとするような上がりを得られるので、歩留まりを上げられるように撮影方法を詰めていきたいと思います。 兎にも角にも、もう後戻りはできませんし、気がつけばすでに愛着もわいてきている。この金属の塊感満載でカッコいいのに諸々ドジっ子なTL2に、僕はすっかりハマってしまいました。 気がつけば「ほどよくライカ」というよりはむしろ「どっぷりライカ」の様相を呈してきました。